築年数が15年、20年と経過すると、お風呂のタイルにヒビが入ったり、キッチンの排水が悪くなったり、トイレの汚れが落ちにくくなったりと、水回りの不具合は同時期に重なりがちです。

「全部まとめて新しくできれば理想的だけど、数百万円もかかるのは厳しい」
「とりあえず緊急性の高いところから順番に直していくべき?」

このように、リフォームの「順番」「タイミング」で悩んでいる方は非常に多くいらっしゃいます。

結論からお伝えすると、トータルの費用を安く抑えたいなら「水回りは一緒に(まとめて)リフォーム」するのが正解です。しかし、家計の状況によっては無理をせず順番に行う方が良いケースもあります。

この記事では、水回りリフォームをまとめて行うメリット・デメリットと、順番に行う場合の失敗しない優先順位の決め方について解説します。

水回りリフォームは「一緒」と「順番」どちらが得?

まずは、水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面台)をまとめて工事する場合と、1箇所ずつ時期をずらして工事する場合の違いを見ていきましょう。

結論
トータルコスト重視なら「一緒」がおすすめ
工事費の重複をカットでき、セット割引が適用されることが多いため、総額では数十万円単位で安くなる可能性があります。

初期費用を抑えるなら「順番」がおすすめ
一度に出ていく現金を抑えられますが、工事のたびに諸経費がかかるため、最終的な総支払額は割高になります。

それぞれのメリット・デメリットを詳しく掘り下げてみましょう。

水回りを「一緒」にリフォームするメリット

もっとも大きなメリットは「費用の削減」です。リフォーム工事には、商品代や取り付け費用のほかに、以下のような「見えにくい費用」がかかります。

  • 養生費: 床や壁を傷つけないように保護する費用
  • 搬入・搬出費: 新しい設備を運び込み、廃材を処分場へ運ぶ費用
  • 諸経費(交通費・管理費): 職人さんの移動費や現場管理費

これらは工事の回数分だけ発生します。例えば、キッチン、お風呂、トイレを3回に分けて工事すれば、養生や廃材運搬も3回分必要です。しかし、まとめて行えば1回(あるいは最小限)で済むため、無駄な出費をカットできます。

画像3枚目 │ 水回りリフォームの順番は?一緒に行うメリットと費用を抑える優先順位の決め方

 

職人さんの手配も一度で済むから、人件費の効率も良くなって見積もりが安くなりやすいんだよ。

また、メーカーやリフォーム会社によっては「水回り4点パック」のようなセットプランを用意しており、個別に契約するよりも大幅な割引が適用されるケースがあります。

順番にリフォームするメリット

一度に多額の資金を用意する必要がない点が最大のメリットです。「今年はお風呂、3年後にキッチン」というように計画すれば、貯金のペースに合わせて無理なくリフォームできます。

また、住みながらのリフォームの場合、まとめて工事をすると「お風呂もキッチンも使えない期間」が発生し、生活のストレスが大きくなりがちです。順番に行えば、生活への影響を最小限に抑えることができます。

予算重視で「順番」にリフォームする場合の優先順位

「まとめてやった方がお得なのはわかるけれど、どうしても予算が足りない」という場合は、優先順位をつけて順番にリフォームしていきましょう。

どの場所から手をつけるべきか、プロが推奨する判断基準は以下の通りです。

1. 物理的な故障・水漏れがある場所(最優先)

蛇口から水が止まらない、排水管から水漏れしている、給湯器の調子が悪いといった症状がある場所は、迷わず最優先です。水漏れを放置すると、床下の木材が腐食し、シロアリ被害などの二次被害を招きます。こうなると修繕費用が桁違いに膨れ上がってしまいます。

2. 在来工法(タイル張り)の浴室

昔ながらのタイル張りのお風呂は、目地のヒビ割れから水が浸入し、土台を腐らせているケースが非常に多いです。見た目がきれいでも内部がボロボロになっていることがあるため、築20年を超えているならキッチンよりも優先順位は高くなります。

3. 使用頻度が高く、生活の質に直結する場所

故障や構造上のリスクがない場合は、「どこが新しくなると一番嬉しいか」で決めましょう。

  • 料理好きの方: キッチンを新しくすると毎日の満足度が高い
  • 家族が多い: トイレや洗面台を新しくすると朝の混雑や掃除のストレスが減る
寿命(耐用年数)の目安
  • トイレ: 15年~20年
  • 給湯器: 10年~15年
  • 洗面台: 15年~20年
  • キッチン・浴室: 15年~20年

※これを超えている場合は、いつ壊れてもおかしくないため、早めの計画が必要です。

借金(ローン)をしてでも「まとめて」やる価値はあるか?

「手元資金はないけれど、リフォームローンを組んででもまとめてやってしまった方がいいのか?」と悩む方もいます。

結論として、「低金利のローンが組めるなら、まとめて行う価値は十分にある」と言えます。理由は以下の2点です。

1. 資材価格の高騰リスク(インフレ)

近年、建築資材や住宅設備の価格は上昇傾向にあります。「お金が貯まってから3年後にやろう」と思っていると、その時には商品の定価が10%〜20%上がっている可能性があります。今の価格で契約し、ローン金利を払ったとしても、結果的に安く済むケースは珍しくありません。

2. 「快適な期間」を買うという考え方

順番にリフォームすると、家の中のどこかが常に「古いまま」です。まとめてリフォームすれば、その日から家全体が新築のように快適になります。これからの10年、20年を快適に過ごすための投資と考えれば、早めに工事を済ませるメリットは大きいです。

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失敗しないためのリフォーム計画の立て方

水回りリフォームを成功させるためには、順番や費用のことだけでなく、依頼先選びも重要です。

1. 複数社で見積もりをとる(相見積もり)
「まとめて工事」と「個別工事」の両方のパターンで見積もりを出してもらい、差額を確認しましょう。その差額が数十万円になるなら、ローンを検討する材料になります。
2. セットプランの仕様を確認する
「4点セットで〇〇万円!」という激安プランは、選べる色や機能が制限されていることがあります。自分が希望するグレードの設備が含まれているか、必ず内訳を確認してください。
3. 補助金を活用する
「子育てエコホーム支援事業」や「介護保険による住宅改修」など、水回りリフォームには国や自治体の補助金が使える場合があります。これらは予算の助けになるため、詳しい業者に相談してみましょう。

まとめ

水回りリフォームは、予算が許すなら「一緒(まとめて)」に行うのが、費用面でもスケジュール面でも最も効率的です。

  • 一緒に行うメリット: 工事費の重複カット、セット割引、工期短縮
  • 順番に行う場合の優先順位: 水漏れ等の故障 > 在来工法の浴室 > 使用頻度の高い場所

「予算が心配で決めきれない」という方は、まずはリフォーム会社に相談し、「まとめてやった場合」と「順番にやった場合」のシミュレーションを作成してもらうことをおすすめします。具体的な数字を見ることで、自分たちに最適なプランが見えてくるはずです。