「家のリフォームをしたのに、確定申告で減税の手続きをするのを忘れてしまった!」
「もう期限が過ぎてしまったから、控除は受けられないのだろうか……」
バリアフリーや省エネリフォーム、耐震改修などを行った際、要件を満たせば所得税の控除(リフォーム減税)が受けられます。しかし、普段確定申告に馴染みのない会社員の方などは、うっかり申告を忘れてしまうことも少なくありません。数十万円単位でお金が戻ってくる可能性があるだけに、諦めるのはあまりにも惜しいですよね。

結論から言うと、多くのケースで「5年前」まで遡って申告が可能です。
この記事では、リフォーム減税の申告を忘れてしまった方のために、いつまでなら間に合うのか、どのような手続きが必要なのかをわかりやすく解説します。焦らずに手続きを行い、払いすぎた税金を取り戻しましょう。
リフォーム減税の申告忘れは「5年以内」なら間に合う
確定申告の時期(例年2月16日〜3月15日)を過ぎてしまっても、リフォーム減税を受ける権利がすぐに消滅するわけではありません。
税金が戻ってくる申告(還付申告)は、対象となる年の翌年1月1日から5年間行うことができます。
- 会社員などで確定申告をしていない人:
対象となる年の翌年1月1日から5年間、「還付申告」が可能。
- すでに確定申告を済ませてしまった人:
法定申告期限から5年以内に「更正の請求」を行うことで修正可能。
つまり、過去のリフォームであっても、5年が経過していなければ今からでも書類を提出して税金の還付を受けられるのです。
「還付申告」とは?
還付申告とは、納めすぎた税金を返してもらうための手続きです。一般的な確定申告の期間(2/16〜3/15)に関係なく、自分の都合の良いタイミングで税務署へ提出できます。
例えば、令和5年(2023年)にリフォーム工事を行い、居住を開始した場合、令和6年(2024年)の1月1日から令和10年(2028年)の12月31日まで申告が可能です。
申告忘れで取り戻せるかもしれない3つのリフォーム減税制度
リフォームに関する減税制度は複雑ですが、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。ご自身がどの制度を使おうとしていたか、あるいは使える可能性があるかを確認しましょう。
1. 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)
返済期間10年以上の住宅ローンを利用してリフォームした場合に利用できる制度です。年末ローン残高の0.7%(または1% ※入居年による)が所得税から控除されます。控除期間が10年間続くため、節税効果が最も大きい制度です。
- 忘れがちなポイント: 初年度は必ず確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で対応できますが、初年度の申告を忘れていると控除がスタートしません。
2. リフォーム促進税制(投資型減税)
ローンを利用していなくても、自己資金でリフォームした場合に利用できる制度です(5年以上のローン利用でも選択可)。
対象となる工事(バリアフリー、省エネ、耐震、同居対応など)の「標準的な工事費用相当額」の10%が、その年の所得税から控除されます。
- 特徴: 控除期間は1年のみです。ローンを組んでいない現金派の方はこちらが対象になります。
3. ローン型減税
返済期間5年以上のリフォームローンを利用した場合に使える制度です。特定の工事費用の2%または1%が5年間にわたり控除されます。

申告を忘れた場合の手続き方法【パターン別】
手続きの方法は、「その年に確定申告をしたかどうか」によって異なります。ご自身の状況に合わせて対応してください。
パターンA:会社員などで、その年の確定申告をしていない場合
年末調整だけで済ませており、リフォーム減税の申告を全くしていない場合は、「還付申告」を行います。
1. 必要書類を準備する(後述)
2. 確定申告書を作成する
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するのが便利です。過去の年分も選択して作成できます。
3. 税務署へ提出する
- 管轄の税務署へ郵送、またはe-Taxで送信します。
この手続きを行えば、後日指定した口座に還付金が振り込まれます。
パターンB:すでにその年の確定申告を済ませてしまった場合
医療費控除やふるさと納税などで一度確定申告をしており、リフォーム減税分だけ入れ忘れた場合は、「更正の請求」という手続きになります。
「計算を間違えて税金を多く払いすぎていたので直してください」という請求です。
1. 「更正の請求書」を作成する
- 当初申告した額と、リフォーム減税を加えた正しい額を記載します。
2. リフォーム減税の必要書類を添付する
3. 税務署へ提出する
税務署での審査を経て認められれば、差額分が還付されます。
リフォーム減税の申告に必要な書類
今から申告する場合でも、必要な書類は通常通り揃える必要があります。特に重要なのが、施工会社が発行する証明書です。
- 確定申告書(または更正の請求書)
- 源泉徴収票(対象年のもの)
- 本人確認書類(マイナンバーカード等)
- 工事請負契約書の写し
- 登記事項証明書(法務局で取得)
- 増改築等工事証明書(※必須)
- 住宅ローンの残高証明書(ローン減税の場合)
「増改築等工事証明書」が見当たらないときは?
リフォーム減税を受けるには、建築士や指定確認検査機関などが発行する「増改築等工事証明書」が原則として必要です。
もし手元にない、あるいは紛失してしまった場合は、施工したリフォーム会社に連絡してください。
「確定申告で必要なので、増改築等工事証明書を発行してほしい」と伝えれば、手数料はかかる場合がありますが、再発行や新規発行の手配をしてくれるはずです。
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固定資産税の減額措置も忘れていませんか?
所得税の減税(確定申告)だけでなく、リフォームを行うと「固定資産税の減額措置」も受けられる場合があります。
ただし、こちらは注意が必要です。
- 所得税の減税: 5年遡れる
- 固定資産税の減額: 工事完了後3ヶ月以内に市区町村へ申告が必要
固定資産税に関しては、原則として「工事完了後3ヶ月以内」という厳しい期限があります。もしこれを過ぎてしまっている場合、基本的には適用を受けることが難しいです。
しかし、自治体によっては「やむを得ない理由」があれば遅れても認めてくれるケースが稀にあります。ダメ元にはなりますが、一度お住まいの市区町村の資産税課へ問い合わせてみることをおすすめします。
まとめ:諦めずに今すぐ書類の準備を!
リフォーム減税の申告忘れは、5年以内であれば取り戻せる可能性が非常に高いです。
- 期限: 対象年の翌年1月1日から5年間
- 手続き: 未申告なら「還付申告」、申告済みなら「更正の請求」
- まずやること: 施工会社へ「増改築等工事証明書」の有無を確認する
数十万円の還付金があれば、新しい家具を買ったり、家族で旅行に行ったりすることもできます。面倒くさがらずに、まずは書類集めから始めてみてください。
また、これから追加のリフォームを検討している場合は、次こそ忘れずに、信頼できる施工会社と相談しながら手続きを進めましょう。
