夜、静まり返った家の中を歩くと、足元から聞こえる「ギシギシ」「ミシミシ」という不気味な音。
「もしかして、家の土台が腐っているのでは?」「シロアリに食べられているんじゃ……」
そんな不安で、夜もぐっすり眠れない日々を過ごしていませんか?
床鳴り(フローリングのきしみ)は、実は木材の乾燥などによる軽微なものから、基礎部分に関わる重大なトラブルまで様々です。
この記事では、床鳴りの原因ごとの修理費用相場と、放置してはいけない危険なサインについて解説します。
不安な音の原因を突き止め、安心して暮らせる我が家を取り戻しましょう。

その「ギシギシ」音、原因はどこ?
床鳴りの修理費用は、原因が「表面的なもの」か「床下(構造)にあるもの」かで大きく異なります。まずは主な原因を整理しましょう。
1. 木材の伸縮(実鳴り)
フローリングの板と板の継ぎ目(実:さね)が、乾燥や湿気による膨張・収縮で擦れ合って鳴る現象です。「キュッキュッ」という高い音が特徴で、季節の変わり目によく起こります。これは構造的な欠陥ではないケースが大半です。
2. 釘や接着剤の劣化
フローリングを固定している釘が緩んだり、接着剤が剥がれたりして、板が浮くことで音が鳴ります。「ギシギシ」という音が特定の場所だけで鳴る場合、この可能性が高いです。
3. 床下の束(つか)の浮き・劣化
床を支えている「束(つか)」という部材が痩せてしまったり、固定が外れたりして床板との間に隙間ができている状態です。歩くと床が沈むような感覚を伴うことがあります。
4. シロアリ・腐食(最も危険)
床下の湿気により木材が腐ったり、シロアリに食害されたりして強度が落ちている状態です。
「床がフカフカする」「カビ臭い」といった症状を伴う場合、緊急性が高い状態です。
【原因別】床鳴り修理費用の相場一覧
それでは、実際に業者に依頼した場合の費用相場を見ていきましょう。
床鳴りの修理は、部分的な補修で済む場合と、大掛かりな工事が必要な場合があります。
- 薬剤注入・補修(実鳴りなど):1箇所 1万円〜3万円
- ビス・釘の打ち増し:1箇所 2万円〜5万円
- 床下の束(つか)調整・交換:1箇所 2万円〜5万円
- フローリングの重ね張り:6畳あたり 6万円〜12万円
- フローリングの張替え:6畳あたり 10万円〜20万円
- 床下地・根太の補修(シロアリ等):20万円〜(被害状況による)
軽度:薬剤注入や釘打ち(1万〜5万円)
「実鳴り」や接着剤切れの場合、フローリングに小さな穴を開けて補修材(樹脂など)を注入したり、隠し釘を打ったりして固定します。作業時間は数時間程度で、費用も比較的安く済みます。
中度:床下の束調整(2万〜5万円/箇所)
床下点検口から入り、浮いてしまった「束」を調整したり、鋼製束(金属製の調整可能な束)に交換したりします。床を剥がさずに済むため、工期は半日〜1日程度です。
重度:張替え・下地補修(10万円〜数百万円)
フローリング自体が劣化している場合は張替えが必要です。さらに、床を開けてみたら土台(根太や大引)がシロアリ被害に遭っていた……という場合は、構造部分の補強や防蟻処理が必要となり、費用は数十万円〜数百万円単位になることもあります。

自分(DIY)で修理できる?
ホームセンターには「床鳴り止めの補修キット」が数千円で売られています。
「少しでも費用を抑えたい」と思うのは当然ですが、DIYにはリスクも伴います。
DIYが可能なケース
- 特定の1箇所だけが「キュッキュッ」と鳴る(実鳴り)。
- 床の沈み込みがなく、音だけが気になる。
市販の補修液を継ぎ目に流し込むことで改善する場合があります。
プロに任せるべきケース(DIY禁止)
- 「ギシギシ」「ミシミシ」と低い音がする。
- 歩くと床が沈む、フカフカする。
- 床下に湿気を感じる、カビ臭い。
- 築年数が古く、一度もシロアリ点検をしていない。
これらは床下の構造トラブルやシロアリの可能性が高く、表面から薬剤を注入しても直りません。むしろ、不適切な場所に釘を打って配管を傷つけたり、被害を隠蔽して発見を遅らせたりするリスクがあります。
シロアリ・腐食ではないか不安な方へ
もしあなたが「単なる音の問題」以上に、家の倒壊やシロアリを心配されているなら、以下のセルフチェックを行ってください。
- [ ] 床の上でジャンプすると、ドスンと鈍い音が響くのではなく、グラグラ揺れる感じがする。
- [ ] 部屋の隅や巾木(はばき)の周りに、木くずのような粉が落ちている。
- [ ] 浴室や洗面所の周辺で床鳴りがする。
- [ ] 庭に置いてある木材や杭にシロアリがいた。
これらに当てはまる場合、床鳴りは「家からのSOS」です。
音がうるさいことよりも、床が抜けたり、地震で倒壊したりするリスクの方が重大です。
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悪徳業者に騙されないために
「床鳴りの修理」や「シロアリ駆除」の分野には、残念ながら不安を煽って高額な契約を迫る悪徳業者も存在します。
安心して修理を依頼するためのポイントを押さえておきましょう。
1. 「今すぐ工事しないと家が潰れる」と脅す業者は避ける
即決を迫る業者は要注意です。優良な業者は、写真や動画を見せながら論理的に説明してくれます。
2. 相見積もりをとる
1社だけで決めず、2〜3社から見積もりを取り、原因の説明と費用を比較してください。
3. 「床下調査」をしてくれるか確認する
表面だけを見て「張り替えましょう」と言う業者より、床下に潜って根本原因(束の浮きやシロアリ)を確認してくれる業者の方が信頼できます。
まとめ:不安な夜を終わらせるために
床鳴りの「ギシギシ」という音は、軽微な乾燥によるものから、シロアリによる深刻な被害まで、様々な原因が考えられます。
- 軽度な修理なら数万円で解決する。
- シロアリや腐食が原因なら、放置するほど修理費用は跳ね上がる。
- 不安な場合は、DIYではなくプロの診断を受けることが安心への近道。
「もしかしたら……」と不安を抱えながら毎日を過ごすのは、精神的にも良くありません。
まずは専門業者による現地調査(多くの場合は無料です)を利用して、床下の状態をチェックしてもらいましょう。
原因がわかれば、それだけで漠然とした不安は消え去ります。
静かで安心できる我が家を取り戻し、今夜からはぐっすりと眠りましょう。
