「親の介護が必要になり、手すりの設置や段差の解消をしたい」
「自宅をバリアフリー化したいけれど、費用が心配」

このようにお考えではないでしょうか。介護のためのリフォームは、身体的な負担を減らすだけでなく、転倒などの事故を防ぐためにも非常に重要です。しかし、まとまった費用がかかるのが悩みどころです。

実は、介護リフォームには国や自治体から手厚い助成金・補助金制度が用意されています。これらを賢く活用することで、自己負担を大幅に抑えて住環境を整えることが可能です。

この記事では、介護リフォームで使える3つの主要な支援制度(介護保険、自治体の助成金、減税制度)について、対象となる工事や申請の流れをわかりやすく解説します。

画像1枚目 │ 介護リフォームで使える助成金・補助金は?制度の仕組みや対象工事、申請の流れを解説

 

制度を知らずにリフォームしてしまうと、後から申請できないケースがほとんどです。工事を依頼する前に、必ず利用できる制度を確認しておきましょう!

介護リフォームで使える3つの支援制度

介護リフォームの費用負担を軽減するために利用できる制度は、大きく分けて以下の3つがあります。

1. 介護保険の住宅改修費支給(最も一般的)
2. 自治体独自の助成金・補助金制度
3. 介護リフォームによる減税制度

まずは、最も多くの人が利用する「介護保険」の制度から詳しく見ていきましょう。

1. 介護保険の住宅改修費支給(最大20万円)

介護保険制度には、要介護者の自立支援と介護者の負担軽減を目的とした「住宅改修費」の支給制度があります。一定の条件を満たすリフォームを行った場合、かかった費用の7〜9割が支給されます。

対象となる人(受給要件)

この制度を利用するには、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 「要支援1〜2」または「要介護1〜5」の認定を受けていること
  • 改修する住宅が、被保険者証の住所と一致しており、本人が実際に居住していること
  • 在宅で生活していること(入院・入所中は原則対象外)
認定を受けていない場合
まだ要介護認定を受けていない場合は、お住まいの市町村の窓口で申請を行い、認定を受けるところからスタートする必要があります。ケアマネジャーに相談すればサポートしてもらえます。

支給金額と自己負担

支給の限度額は、要介護度に関わらず「20万円」です。

20万円までの工事費用に対して、利用者の所得に応じて1割〜3割の自己負担が発生し、残りの金額が介護保険から支給されます。

  • 1割負担の方: 最大18万円支給(自己負担2万円)
  • 2割負担の方: 最大16万円支給(自己負担4万円)
  • 3割負担の方: 最大14万円支給(自己負担6万円)

※工事費用が20万円を超えた場合、超過分は全額自己負担となります。
※「償還払い」が基本のため、一度工事費用の全額をリフォーム会社に支払い、後日申請して口座に振り込まれる流れが一般的です(自治体によっては受領委任払いも可能です)。

対象となる工事の種類

介護保険の対象となるのは、以下の6種類の工事に限られます。

介護保険の対象工事
  1. 手すりの取付け(廊下、トイレ、浴室、玄関など)
  2. 段差の解消(敷居を低くする、スロープ設置、床のかさ上げなど)
  3. 滑りの防止・移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更(畳からフローリングへ、滑りにくい床材へ変更など)
  4. 引き戸等への扉の取替え(開き戸を引き戸や折れ戸にする、ドアノブの変更など)
  5. 洋式便器等への便器の取替え(和式から洋式へ、便器の位置変更など)
  6. その他、上記の住宅改修に付帯して必要となる工事(手すり取付けのための壁補強など)

これら以外の工事(例:単なる壁紙の張り替えや、老朽化に伴うリフォーム)は対象外となるため注意が必要です。

2. 自治体独自の助成金・補助金制度

お住まいの市区町村によっては、介護保険とは別に独自の助成金制度を設けている場合があります。これを「上乗せ助成」や「横出しサービス」と呼びます。

制度の例

  • 介護保険の上乗せ: 介護保険の20万円枠を超えた分に対し、さらに10〜20万円程度を助成する。
  • バリアフリー改修助成: 要介護認定を受けていなくても、高齢者や障がい者がいる世帯に対してリフォーム費用を助成する。
  • 設備改修助成: 浴槽の交換や給湯器の設置など、特定の設備に対して補助を出す。

これらの制度は自治体によって名称や条件、金額が全く異なります。また、予算の上限に達し次第終了することもあるため、早めの確認が重要です。

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3. 介護リフォームによる減税制度

リフォーム費用を支払った後、確定申告を行うことで税金が安くなる制度もあります。意外と見落とされがちですが、節税効果は大きいため必ずチェックしましょう。

所得税の控除(投資型減税)

要介護者などが居住する自宅で、一定のバリアフリー改修工事を行った場合、工事費用の10%相当額がその年の所得税から控除されます。

  • 対象工事限度額: 200万円
  • 控除率: 10%
  • 最大控除額: 20万円
  • 要件: 工事費用(補助金を除く自己負担額)が50万円超であること、など。

固定資産税の減額

バリアフリー改修工事を行った翌年度の、家屋にかかる固定資産税が3分の1減額されます(100平米相当分まで)。

  • 要件: 工事費用(補助金を除く自己負担額)が50万円超であること。工事完了後3ヶ月以内に市区町村へ申告が必要。

介護保険を利用したリフォーム申請の流れ

介護保険の住宅改修費を受け取るためには、必ず「工事前」に申請が必要です。事後申請は認められないため、以下の手順を厳守してください。

1. ケアマネジャーに相談
まずは担当のケアマネジャーに「リフォームしたい」と相談します。どのような改修が必要か、身体状況に合わせて検討します。
2. 施工業者の選定・見積もり
リフォーム会社に現地調査を依頼し、図面と見積書を作成してもらいます。この際、「介護保険を使いたい」と明確に伝えましょう。
3. 事前申請(工事前)
以下の書類を市区町村の窓口に提出します。

  • 支給申請書
  • 工事費見積書
  • 住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャー等が作成)
  • 工事前の写真・図面

4. 審査・承認
市区町村が内容を確認し、問題なければ承認が下ります。
5. 工事着工・完了・支払い
工事を行い、完了後にリフォーム会社へ費用を全額支払います(償還払いの場合)。
6. 事後申請(支給請求)
工事完了後の写真や領収書などを添えて、再度市区町村へ提出します。
7. 住宅改修費の支給
審査後、指定口座に保険給付分が振り込まれます。

画像1枚目 │ 介護リフォームで使える助成金・補助金は?制度の仕組みや対象工事、申請の流れを解説

 

「理由書」の作成など専門的な知識が必要です。介護リフォームの実績が豊富な業者を選ぶと、書類作成のサポートもスムーズですよ。

介護リフォームを失敗しないためのポイント

1. 将来を見据えた計画を立てる

現在の身体状況だけでなく、数年後に身体機能が低下した場合も想定して計画しましょう。例えば、今は杖で歩けても、将来車椅子が必要になれば、必要な廊下幅やスロープの勾配が変わってきます。

2. 介護リフォームの実績がある業者を選ぶ

一般的なリフォームと介護リフォームでは、求められるノウハウが異なります。「手すりの高さ」や「ミリ単位の段差解消」など、利用者の身体状況に合わせた提案ができる、経験豊富な業者を選びましょう。

3. 複数の制度を併用する

「介護保険」+「自治体の助成金」+「減税制度」は、条件を満たせば併用が可能です。ケアマネジャーやリフォーム会社のアドバイザーに相談し、使える制度はすべて活用して負担を減らしましょう。

まとめ

介護リフォームは、ご本人にとってもご家族にとっても、安心して暮らすために必要な投資です。

  • 介護保険: 最大20万円(実質14〜18万円支給)が利用可能。
  • 自治体助成: 地域によっては上乗せ補助がある。
  • 減税: 確定申告で税金が戻ってくる可能性がある。

これらを活用すれば、費用のハードルはぐっと下がります。「工事前の申請」を忘れずに、まずはケアマネジャーや専門業者へ相談することから始めてみてください。