「A社はシリコン塗料で見積もりを出してきたけれど、B社はフッ素塗料を強く勧めてくる……。結局、うちはどちらを選べばいいの?」

外壁塗装の見積もりを取った際、このように提案内容がバラバラで混乱してしまう方は非常に多いです。塗料のグレードは家の寿命や将来のメンテナンス費用に直結するため、安易に「安い方」や「高い方」を選ぶのは危険です。

結論から言うと、「初期費用を抑えたいならシリコン」「長期的なトータルコストを抑えたいならフッ素」が正解です。

この記事では、外壁塗装のプロの視点から、シリコンとフッ素の決定的な違い、それぞれのメリット・デメリット、そして「あなたの家にはどちらが適しているか」の判断基準をわかりやすく解説します。

画像1枚目 │ 外壁塗装の「フッ素」と「シリコン」の違いは?費用と耐久性で選ぶ正解ルート

 

専門用語はなるべく使わず、費用と寿命の関係をスッキリ整理しました!

最大の違いは「耐久年数」と「価格」のバランス

シリコン塗料とフッ素塗料、この2つの最大の違いは「どれくらい長持ちするか(耐久性)」「いくらかかるか(価格)」です。

まずはざっくりと、両者のスペックを比較してみましょう。

シリコン vs フッ素 比較まとめ
【シリコン塗料】
  • 耐久年数: 10年〜13年
  • 費用相場: 2,300円〜3,500円 / ㎡
  • 特徴: 価格と性能のバランスが良い「スタンダード」

【フッ素塗料】

  • 耐久年数: 15年〜20年
  • 費用相場: 3,800円〜4,800円 / ㎡
  • 特徴: 耐久性が非常に高い「ハイグレード」

このように、フッ素はシリコンに比べて1回あたりの塗装費用が高くなりますが、その分、次の塗り替えまでの期間を長くすることができます。

それぞれの塗料について、もう少し詳しく見ていきましょう。

コスパ最強のスタンダード「シリコン塗料」

シリコン塗料は、現在日本の住宅塗装で最も多く使われている「スタンダード」な塗料です。アクリルやウレタンといった下位グレードの塗料に比べて紫外線に強く、汚れにくい性質を持っています。

シリコン塗料のメリット

  • コストパフォーマンスが良い: 性能の割に価格が手頃です。
  • 製品の種類が豊富: 多くのメーカーが主力商品として扱っているため、色や機能(遮熱など)の選択肢が広いです。
  • 実績が多い: 多くの家で使われているため、職人も扱い慣れており施工ミスが起きにくいと言えます。

シリコン塗料のデメリット

  • フッ素に比べると寿命が短い: 10年〜13年程度で次の塗り替え時期が来ます。
  • ひび割れ追従性がやや低い製品もある: 塗膜が硬くなりやすい製品の場合、外壁の動きに合わせてひび割れが起きることがあります(※弾性シリコンなどを選べば解決可能です)。

シリコン塗料はこんな人におすすめ

シリコンを選ぶべき人
  • 一度に出ていく出費(初期費用)をできるだけ抑えたい人
  • 10年〜15年後には家の売却や建て替えを検討している人
  • 豊富な色や種類から選びたい人

商業施設でも使われる高耐久「フッ素塗料」

フッ素塗料は、フライパンの焦げ付き防止加工などでも知られる「フッ素樹脂」を配合した塗料です。東京スカイツリーの鉄骨や六本木ヒルズなどの大型商業施設でも採用されるほど、圧倒的な耐久性を誇ります。

フッ素塗料のメリット

  • 耐久性が非常に高い: 紫外線や雨風に強く、長期間建物を守ります。
  • 汚れが落ちやすい: 親水性(水になじむ性質)が高く、雨が降ると汚れを一緒に洗い流してくれる「セルフクリーニング効果」を持つ製品が多いです。
  • 塗り替え回数を減らせる: 寿命が長いため、生涯で必要な塗装工事の回数を減らせます。

フッ素塗料のデメリット

  • 価格が高い: シリコンに比べて見積額が数十万円アップすることが一般的です。
  • 塗膜が硬い: 建物が揺れたり動いたりした際に、塗膜が追従できずに割れてしまうことがあります(モルタル壁などには不向きな場合があります)。
  • 次の塗り替えで塗料を選ぶ: フッ素の塗膜は汚れを弾く力が強いため、次回塗り替える際に新しい塗料が密着しにくい場合があります(専用の下塗り材を使えば問題ありません)。

フッ素塗料はこんな人におすすめ

フッ素を選ぶべき人
  • 今の家にあと20年以上は住み続ける予定の人
  • 塗装工事の面倒(足場の設置や業者対応)を減らしたい人
  • トータルの維持費を安く済ませたい人
  • 海沿いなど、建物が傷みやすい環境に住んでいる人

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【重要】「30年スパン」で見るとフッ素の方が安い?

ここが最も重要なポイントです。「見積もりの安さ」だけでシリコンを選ぶと、長期的には損をする可能性があります。

外壁塗装には、塗料代だけでなく「足場代(約15万〜25万円)」が毎回かかります。
30年間家に住むと仮定してシミュレーションしてみましょう。

  • シリコン(寿命10年)の場合
  • 10年目、20年目、30年目と計3回の工事が必要。
  • 足場代も3回分かかります。
  • フッ素(寿命15〜20年)の場合
  • 15〜20年目に計1〜2回の工事で済む可能性があります。
  • 足場代が1回分浮く計算になります。

つまり、「1回あたりの工事費は高くても、回数を減らすことでトータルコストを下げる」のがフッ素塗料の賢い使い方です。

画像1枚目 │ 外壁塗装の「フッ素」と「シリコン」の違いは?費用と耐久性で選ぶ正解ルート

 

予算に余裕があるなら、将来の貯金だと思ってフッ素を選ぶのが賢い選択ね!

業者によって提案が違う理由と対策

では、なぜ業者によって勧めてくる塗料が違うのでしょうか?
それは、業者が重視しているポイントが違うからです。

  • シリコンを勧める業者: 「お客様が契約しやすい価格帯」を優先している、または標準仕様が決まっている。
  • フッ素を勧める業者: 「長持ちさせて顧客満足度を上げたい」と考えている、または利益率を上げたい。

どちらが悪いわけではありませんが、あなたのライフプラン(あと何年住むか)を聞かずに提案してくる業者は要注意です。

失敗しないための「相見積もり」活用法

「シリコンかフッ素か」で迷ったら、1社の話だけで決めずに、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。その際、以下のようにお願いしてみてください。

「シリコンのプランと、フッ素のプラン、両方の見積もりを出してください」

同じ条件で比較することで、価格差が明確になります。「この差額ならフッ素にしよう」「やっぱり今回はシリコンで十分」という判断がしやすくなるはずです。

まとめ:ライフプランに合わせて選ぼう

外壁塗装の塗料選びに「絶対の正解」はありません。大切なのは、あなたの家の将来設計にマッチしているかどうかです。

  • とにかく初期費用を抑えたい・近々引っ越す予定

シリコン塗料 がおすすめ

  • 長く住む予定・メンテナンスの手間とトータルコストを減らしたい

フッ素塗料 がおすすめ

また、「外壁は面積が広いからシリコンにして、劣化しやすい屋根だけフッ素にする」というハイブリッドな提案をしてくれる業者もいます。

まずは複数のプロに相談し、あなたの家にベストなプランを提案してもらいましょう。