「マンションのお風呂が狭くて足が伸ばせない」「リフォームするなら、少しでも広い浴槽にしたい」
マンションにお住まいの方で、このような悩みをお持ちではありませんか?
特に築年数が経過したマンションでは「1216サイズ(120cm×160cm)」などのコンパクトなユニットバスが採用されていることが多く、窮屈さを感じている方は少なくありません。

今回は、マンションのユニットバスをサイズアップする仕組みや具体的な方法、費用相場、注意点について詳しく解説します。
なぜマンションでも「サイズアップ」ができるのか?
「浴室の壁の向こうはすぐコンクリート(躯体)だから、広げるスペースなんてないはず」と思っていませんか?
実は、今あるユニットバスの壁と、建物のコンクリート壁の間には、配管を通したり施工しやすくしたりするための「隙間(デッドスペース)」が存在することがほとんどです。
昔のユニットバスは、この隙間を大きめに取って設置されているケースが多くあります。近年のユニットバスは設計技術が向上しており、このデッドスペースを極限まで減らすことで、建物の構造を変えずに浴室内部を広くすることが可能です。
一般的なサイズアップのパターン
マンション用ユニットバスのサイズは、数字4桁で表されます。例えば「1216」なら、内寸が幅120cm×奥行160cmという意味です。
リフォームによるサイズアップでは、以下のような変更がよく見られます。
- 1116 → 1216
- 1216 → 1317(幅+10cm、奥行+10cm)
- 1317 → 1418(幅+10cm、奥行+10cm)
たった10cmと思うかもしれませんが、浴室における10cmの差は体感的に非常に大きいです。浴槽の長さが10cm伸びれば、膝を曲げて入浴していた状態から、足を伸ばしてリラックスできる状態へと変わる可能性があります。また、洗い場の幅が広がることで、体を洗う際の肘の当たりが気にならなくなります。
浴室を広くする2つのアプローチ
マンションで浴室を広くするには、大きく分けて2つの方法があります。
1. 配管スペースや壁裏の隙間を活用する(浴室スペース内での拡張)
これが最も一般的で、コストパフォーマンスの良い方法です。
各メーカーから出ている「リフォーム用」や「広がる」タイプのユニットバス商品は、配管経路を工夫したり壁の厚みを薄くしたりすることで、設置必要寸法を変えずに内寸を広げています。
この方法であれば、脱衣所や廊下などの間取りを変更する必要がないため、工期も短く費用も抑えられます。
2. 間取り変更で浴室スペース自体を広げる
もし壁裏に隙間が全くない場合や、もっと大幅に広くしたい(例:1216から1616へ)場合は、浴室の壁を壊してスペース自体を拡張する必要があります。
隣接する洗面所や収納スペース、廊下などを削って浴室を広げます。自由度は高いですが、壁の解体・復旧工事や配管の大掛かりな移動が必要になるため、費用は高額になり工期も長くなります。
サイズアップにおすすめのメーカー・シリーズ
「今のスペースのまま広くしたい」というニーズに応えるため、各メーカーは工夫を凝らした商品を展開しています。
TOTO「マンションリモデルバスルーム WYシリーズ」
TOTOは独自のサイズ展開を行っており、例えば一般的な1216サイズに対応するスペースに収まる「12165サイズ(ひろがるWY)」などをラインナップしています。
「ひろがる」シリーズという名の通り、デッドスペースを最小限に抑える設計が特徴で、5cm刻みでのサイズ調整が可能なため、今の設置スペースを無駄なく活用できます。
LIXIL「リノビオV」
LIXILも「もっとひろがるWBシリーズ」などで知られるように、リフォーム時のサイズアップに力を入れています。配管の取り回しを工夫することで、壁裏の必要スペースを圧縮。浴槽の形状も工夫されており、肩周りがゆったりと感じられるデザインが人気です。
タカラスタンダード「伸びの美浴室」
タカラスタンダードは、2.5cm刻みでサイズオーダーができる「ぴったりサイズシステムバス」が最大の特徴です。規格サイズではどうしても生まれてしまう隙間を徹底的になくし、建物の躯体ギリギリまで浴室を広げることができます。梁(はり)や柱がある変形した浴室でも対応力が高いのが魅力です。
サイズアップリフォームの費用相場
サイズアップを伴うユニットバス交換の費用は、選ぶグレードや工事の難易度によって異なりますが、目安は以下の通りです。
- デッドスペース活用でのサイズアップ(間取り変更なし)
- 費用相場:80万〜120万円
- 通常の交換工事と大きく変わりませんが、配管調整費などが数万円プラスになる場合があります。
- 間取り変更を伴う拡張(壁移動あり)
- 費用相場:120万〜200万円以上
- 大工工事、内装工事、電気・配管の移設などが必要になるため、費用は跳ね上がります。
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注意点:サイズアップができないケース
すべてのマンションで必ずサイズアップができるわけではありません。以下の要素が障害となる場合があります。
梁(はり)や柱の干渉
マンションの構造上、浴室の天井や壁の一部にコンクリートの大きな梁が出っ張っていることがあります。この梁を避けるために浴室サイズが制限されている場合、サイズアップが難しい、またはオーダーメイド対応(タカラスタンダードなど)が必要になることがあります。
配管経路と勾配
お湯を流すための排水管には、水が流れるように「勾配(傾斜)」をつける必要があります。浴室を広げることで配管の距離が伸び、十分な勾配が取れなくなる場合は、床を高くする(バリアフリーでなくなる)か、サイズアップを断念せざるを得ないことがあります。
ドア位置と洗面所との関係
浴室を広げると、入り口ドアの位置がずれることがあります。その結果、洗面台に干渉してしまったり、洗面所の動線が悪くなったりする可能性があるため、図面上での慎重な確認が必要です。
まとめ:まずは現地調査で「広がる余地」を確認しよう
マンションの狭いお風呂でも、最新のユニットバスへの交換や施工の工夫によって、サイズアップできる可能性は十分にあります。
特に「1216→1317」のようなワンサイズアップは、間取りを変えずに実現できるケースが多く、満足度が非常に高いリフォームです。
「うちは無理かも」と諦める前に、まずはリフォーム会社に現地調査を依頼し、壁の裏側にどれくらいのスペースがあるかを確認してもらいましょう。プロの目で見れば、隠れた「広がる余地」が見つかるはずです。
- 壁と躯体の間の「隙間」を活用すればサイズアップが可能
- 10cm広がるだけで、足が伸ばせるなど快適性が大きく向上する
- TOTOやタカラスタンダードなど、サイズ調整に強いメーカーを選ぶのが鍵
- 梁や配管の状況によっては制限があるため、プロの現地調査が必須
