「近隣の方へのご挨拶です。現在、このマンションの〇〇号室で工事をしています」

マンションのポストに、このようなチラシが入っていたことはありませんか?
ちょうど自宅のキッチンやお風呂の古さが気になっていたタイミングだと、「同じマンションで工事しているなら、ついでにうちも安くやってもらえるかも?」と心が動くかもしれません。

画像1枚目 │ マンションのリフォーム業者選び方|「当マンションで工事中」のチラシは信じていい?

 

タイミング良くチラシが入っていたから、ここに頼んじゃおうかな……。

しかし、そのチラシだけで業者を決めてしまうのは、少し待ってください。
「同じマンションで工事している」という安心感を利用した営業手法である可能性があり、必ずしもあなたにとってベストな業者とは限らないからです。

今回は、マンションリフォームで後悔しないための「業者の選び方」と、チラシが入っていた際の注意点について解説します。

なぜ「同じマンションで工事中」のチラシが入るのか?

まず、この手のチラシがなぜポストに入っているのか、その背景を知っておきましょう。
もちろん、本当に同じマンション内で大規模なリフォームを行っているケースもありますが、実は以下のような営業戦略であることも少なくありません。

  • 安心感の演出: 「同じ住民が頼んでいる」という事実は、心理的なハードルを大きく下げます。
  • 効率的な集客: マンションは似たような築年数・間取りの世帯が集まっているため、リフォーム需要も同時期に発生しやすく、業者にとって効率が良いターゲットです。
  • ドアオープナー: 本来の工事は小規模なもの(蛇口交換など)でも、「工事中」と大きく謳うことで、他の部屋から大規模なリフォームを受注しようとするケースです。

「近所だから安心」と安易に考える前に、冷静にメリットとデメリットを比較する必要があります。

チラシの業者に頼むメリット・デメリット

ポストに入っていた業者に依頼することには、メリットもあればデメリットもあります。

チラシ業者に依頼するメリット・デメリット
メリット
  • 構造を把握している可能性がある: 同じマンションでの施工実績があれば、配管の位置や管理規約に詳しい場合があります。
  • 諸経費が安くなる可能性: 職人の移動費や資材運搬費が、他の部屋と合わせることで多少安くなるケースがあります(※必ず安くなるわけではありません)。

デメリット

  • 比較検討ができない: 他社の見積もりを見ずに契約すると、相場より高い金額で契約してしまうリスクがあります。
  • 専門性が合わない: その業者が「壁紙張り替え」が得意だとしても、あなたがしたい「水回りリフォーム」が得意とは限りません。
  • 営業トークに流されやすい: 「今なら安くします」という言葉に乗せられ、不要な工事まで契約してしまう恐れがあります。

特に注意したいのは、「ついでだから安くする」という言葉の裏側です。
リフォーム費用は「材料費」「人件費」「諸経費」で構成されていますが、隣で工事しているからといって劇的に安くなるのは「移動費(諸経費の一部)」くらいです。材料費や職人の手間賃は変わりません。

もし「半額にします」「モニター価格で」といった大幅な値引きを提示された場合は、最初の提示額が不当に高く設定されている可能性を疑いましょう。

失敗しないマンションリフォーム業者の選び方 3つのポイント

では、チラシを見てリフォーム意欲が湧いた場合、どうやって業者を選べばよいのでしょうか。
失敗しないための選び方の鉄則は以下の3つです。

1. 必ず「相見積もり」をとる

これが最も重要です。チラシの業者1社だけで決めるのではなく、必ず他のリフォーム会社からも見積もりを取りましょう(相見積もり)。

  • 費用の妥当性: 同じ工事内容でA社は100万円、B社は150万円ということも珍しくありません。
  • 提案力の差: 「キッチンを新しくしたい」と伝えたとき、ただ交換するだけの業者もあれば、「家事動線を考えて配置を変えましょう」と提案してくれる業者もあります。
画像3枚目 │ マンションのリフォーム業者選び方|「当マンションで工事中」のチラシは信じていい?

 

面倒くさがらずに、最低3社くらいは比較したほうがよさそうですね。

2. 「マンションリフォーム」の実績を確認する

リフォームと一口に言っても、「戸建て」と「マンション」では勝手が違います。
マンションには「管理規約」があり、フローリングの遮音等級(防音性能)の制限や、電気容量の限界、配管の勾配(水が流れる傾き)の確保など、特有の制約があります。

チラシの業者が、あなたのマンションの構造や規約に精通しているとは限りません。
ホームページ等で、マンションリフォームの施工事例が豊富にあるかを必ずチェックしてください。

3. あなたの「やりたい工事」が得意な業者を選ぶ

リフォーム会社にも得意分野があります。

  • 水回り特化型: キッチン、バス、トイレの交換が得意で安価。
  • デザインリノベーション型: 間取り変更や内装デザインが得意だが、費用は高め。
  • 総合リフォーム型: 幅広く対応できるが、担当者の知識にバラつきがあることも。

チラシの業者が「塗装屋さん」出身の場合、水回りの工事は下請けに丸投げになり、中間マージンが発生して割高になることもあります。あなたがやりたいリフォーム内容を得意としている業者を選びましょう。

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注意!こんなチラシや営業トークには気をつけて

最後に、特に警戒すべき業者の特徴を挙げておきます。もしチラシや訪問時の会話に以下の要素が含まれていたら、即決は避けてください。

警戒すべきキーワード
  • 「今だけ」「今日中に決めてくれたら」

→ 契約を急かすのは、他社と比較されたくない証拠です。

  • 「材料が余ったので格安で」

→ 基本的に、プロの現場で他の家のリフォームに使えるほどの材料が大量に余ることはありません。

  • 「無料で点検します」

→ 点検商法と呼ばれる手口です。「配管が腐食している」などと不安を煽り、工事契約を迫るケースがあります。

まとめ:チラシはあくまで「きっかけ」にしよう

ポストに入ったチラシは、リフォームを検討する良い「きっかけ」にはなりますが、そこが「正解」の業者であるとは限りません。

大切な住まいのリフォームです。「近所でやっているから」という理由だけで決めず、一度冷静になって、複数の業者を比較検討することをおすすめします。
結果的にそのチラシの業者が一番良かったとしても、他社と比較した後なら、納得して工事を任せられるはずです。

まずは、自分の希望するリフォームの適正価格を知ることから始めてみましょう。